友人のMが結婚した。友人というか何といえば良いのかわからない間柄ではあるが、一応夫婦でいろいろ気にかけてた子なので友人という言葉を使おうと思う。とりあえず本人がここを読む確率は非常に低いので適当に書こうと思う。
知り合って八年。短いようで長いようで。うちら夫婦のことをお兄さんお姉さんと慕ってくれていた。ありがとね。
最初は確か、「お付き合いしている人がいて」みたいなことを言われたと思う。
まあ相手も知っている人だったんだけど、ちょっと軽い雰囲気を当初は感じた。なのでその相手に対して「あいつ!?ちゃんと本気なのか?」と思っていた。まあMは自分にとって妹のような感じだったので、僭越ながら兄貴的目線というかそんな感じで反射的にそう思った。ある日夫婦でその相手に会ったとき、「本気?覚悟できてる?」と聞いた。彼の本気度を知りたかった。それで「今夜、今だけしか言わない」ということでかなり色々言った。相当色々言った。しかも素面で。ここでは詳しくは書かないけど。てか書けないけど。まあでも相当ウザかったでしょうね、頭にも来たでしょう。ごめん。謝る。でも一つだけ言わせてもらえれば、それもこれもなんだかんだでMのためだった。信じらんないだろうけど。覚悟もなく軽い気持ちで付き合うのはやめろよ、と。傷つくのはMなんだしと。勝手にそう思ってしまってたので。まあ最終的には君のためにもなったということでチャラにしてください、新郎のMくん。新郎もイニシャルだとMなのか。ふたりともイニシャルにすると同じになるのか。ウケる。どうでもいいんだけど。
そしてそんな二人が昨日結婚した。レセプションではM(新婦)の親友Yがスピーチした。Yが泣いているところを初めて見た。
「友だちの結婚式とか行くとスピーチしている人が泣いているのを見てなんで泣いているんだろうと思ってたんですが、今、自分が泣いちゃってます…いろいろたくさんありすぎて。言葉が見つからないというか」
Yのスピーチは本当に良いスピーチだったと思う。YはMの酸いも甘いもきっちり知った上での親友だと自分は解釈している。その上での彼女のスピーチの内容はすべてがしっくりきていて、二人の間の関係性と強い友情を見せていたように思う。いい友達を持ったな、と。ずっと大切にしていった方がいい、と思った。これはそのうち言うと思う。隣りに座っていた友人のKも男泣きしていたし。爆笑してたら「な、なんで笑うんだ」って怒られた。ごめん。僕は照れ屋なんです。すみません。
それとMは昨日、今までにないくらいの一番いい顔をしていたと思う。当たり前か。
もし自分がスピーチすることになったら、とふと思った。別に頼まれてもないのに僭越かもしれないけど。うちらも結婚して10年になる。てか全然関係ないけど。
とりあえず結婚おめでとう。性格がひねくれているので、「幸せになってね!」とか「世界で一番幸せそうだね!」とか言う気は毛頭ないんだけど、それは「人には幸せにならなければいけないという義務はない」と思ってるからです。
幸せになる「義務」はない。
もう少し細かく言うと、「幸せになってね」と言われてそれに応える義務はないし、他人に見せる幸せを作り上げる義務はない、対外的な見せるための幸せは別に必要ない。そんなもん作らなくていい。それよりも、自分たちの人生を二人で歩んでいってもらいたいと思ってる。自分たちの考えを持って、主体的にこれからの人生を二人で歩んでいってほしいと思ってる。二人で見つめ合う時期はもう終わったので、これからは二人で「同じ方向を向いて」歩いていってほしいと思ってる。自分たちの道を切り開いて行ってほしいと思ってる。自分で作り上げた幸せであれば、なんだって良い。他人に何か言われる筋合いはないわけだし。それに、楽しむも苦しむも他の誰でもなく自分たち自身なわけで。すべては自分に返ってくるわけで。
でね、誓いの言葉にもあった「死がふたりを分かつまで」っていうのを思い出してほしいんだけど、結局出会いってのは新たな別れの始まりなわけで。結婚した時点で、二人の間には新たな別れが将来的にやってくるということが決まってしまう。こんなこと言うと多分「なんでそんな寂しいこと言うんですか?」とか言われると思うんだけど、ちょっと我慢して聞いてて。人はやがて死ぬ。誰も死からは逃れられない。それが唐突にやってくるかもしれないし、なかなかやって来ないかもしれない。もちろん日常生活の中でそんなことばっかり考えていたら生活できなくなるけど、人間は生きている以上常に死と隣り合わせなわけで、しかもどちらかが先に死んでしまうと残された方はやるせない毎日を送ることになる。辛い。信じている人、愛している人を物理的に失うっていうのはとてつもなく辛い。
っていうことを頭の片隅に置いておくと、毎日の何気ない生活がとても大事に思えてきて、いろいろ大変なこと、理不尽なこと、嫌なこと、楽しいこと、最高なこと、気分良くなること悪くなること、すべてをひっくるめた現実の生活、何気なく送っているその暮らし自体が幸せなことに思えてくる。そしてそういう意味では幸せなんて勝手にできてくるものだと思ってる、思い出みたいに。気づいたらでき上がっているもの。ふと後ろを振り返ったときに、色々あったけど悪くないと思える、というか。少なくとも自分はそう思う。
二人で嫌なことも良いことも色々経験して、コミュニケーション取って、何だこいつふざけやがってって思ったら喧嘩するなりだんまり戦術使うなりなんでもやってください。自分たちが幸せと思える毎日を気張らず送ってください。同じ方向を向いて歩いていってください。「幸せになってね」なんてプレッシャーを感じずに。そしていつまでも自然な二人で。
あれから7ヵ月経って、こういうのが見れるのってなんかいいですね。♪:*°素敵な祝辞です。ちょっとウルッときました。。。
>yukoMさん
コメントありがとうです。
月日が経つのははやいもので、もう半年過ぎたんだねえ。
とりあえず楽しくやってそうで安心した(「結婚生活楽しすぎて!」って言ってたし(笑))。
また来てください。