ウェブのニュースでも話題になってたが、時代を象徴していたような雰囲気のある二つのバラエティ番組が終了するらしい。
終了する両番組に対しては特に何の感慨もないんだけど、ちょっと昔のことを思い出した。我が家はその昔、いわゆる両親の「教育上の方針」とやらでテレビがなかった。小学校の頃から中学二年くらいの間だったように記憶している。今からまあ30年位前の僕ら世代が小学校の頃のメインのエンタメはテレビ、テレビ、そしてテレビだった記憶がある。人気のあるバラエティ番組やドラマが放送された次の日は、クラス中がこれでもかというくらいその番組の話で盛り上がっている。「見た?昨日」っていうのが朝のオハヨウ代わりだった。
当然テレビがないのでそんな番組見ていない。「んー見てない」というともう基本非国民扱い。人権がなかった(笑)。まあ小学生時代においてテレビっていうものはそれほどまでに影響を持っているものだった。その頃大人気の番組が今回終了するうちの1つの番組だった。クラスの連中はよくその番組のネタを真似して盛り上がっていた覚えがある。その中には、ついこないだ炎上しかけた例のネタも入っていたと思う。今思えば懐かしいんだけど、当時は確かにテレビなしという生き方は、小学生にとってはそこそこ厳しい時代でもあった。とはいうものの、特に親に対して恨みはない。テレビがないので、エンターテイメントは自然と自分でいろいろ探してきて楽しむというスタイルだった。本好き・活字中毒、そして音楽好きになったのはそのおかげだと思っている。
その後、引っ越しを機に、中学三年くらいの時にテレビとビデオデッキが我が家へ導入された。写りの悪いテレビの原因を、弟と一緒に屋根に登って、倒れていたアンテナをもとに戻して補強することで改善したのも今や懐かしい思い出だ。それを機にテレビにのめり込んだかというとそういうわけでもない。もともとテレビより映画が好きで、むしろ映画にのめり込んだ。どうもテレビのバラエティ番組とかワイドショー、情報番組、まあテレビっていうメディア自体あまり好きにならなかったのかもしれない。なんか内輪で盛り上がっているメディア、っていう印象(決めつけも多分にあるかもしれないが)が強かったのだろう。それが講じてかはたまた自身のひねくれた性格のせいかはわからないけど、結局結婚を機にテレビをまたなくしてしまって現在に至る。ウェブというメディアの方が自分にはしっくり来たのかもしれない。
とはいうものの、である。
じゃあウェブにのめり込んだのかというと、どうだろう…とも思う。確かにこうやって独自ドメイン取ってブログを書き散らし、twitterで日常的に駄文を垂れ流し、音楽や動画をYouTubeやGoogle Play Musicで済ませてしまい、買い物はAmazonやヤフオクがメインになってしまう…という程度にはのめり込んでしまっている(というかライフラインなので不可欠なんだけど)。が、最近はウェブの玉石混交の情報を取捨選択するのに、アナログなメソッドを取り入れていることも確か。図書館やリアル本屋、その分野で実際に働いている人間との会話を通して情報を得るという比率が高くなってきている。最近のウェブでの情報収集は、「情報を得ない」ことから始まる気がする。なんというか、「いらない・無意味な情報をよりわけていく作業」というのかな、そういうことばかりやっている気がする。特に役立たない情報ばかりをまとめたまとめサイトの情報(中には有用なものもあるので一概には言えないが)、Q&Aサイトにおける素人レベルの回答、PVを増やすだけが目的のように写るアフィリエイト系、などなど、とにかくいらない情報が溢れている昨今では、ウェブの海を泳いでいくのも少々疲れる。
そうそう、座間でとてつもないレベルの猟奇的な事件があった。ワイドショーとか一切見てないので、テレビでどういう報道がされているかについてはまったく知識がないんだけど、報道の内容やアプローチなど、うっすらと察することはできる。
そしてテレビがないということに本当に感謝している。あ、でもテレビというメディアを心底嫌っているわけではない。有用で多角的な視点を持つ秀逸な番組やドキュメンタリーは依然存在していると思うし。これを機にテレビ買うか。あ、でもテレビないのでNHKも払わなくて(今のところ)済んでるし、やはりこのまま行くのでせう。
The Sound by The 1975