左耳の調子が悪かった。
今月始め頃。2015年以来中断していたジョギングを少し再開してみようと思い、外に出た。朝。さすがにいきなり走り出すのはキツく、早足を少し早めたくらいのスピードにした。普段、ある程度歩いてはいるので大丈夫かな?とは思ったが、やはり走るときの筋肉は別なので、その日は1km程度でやめておいた。
家に帰りPCをつけ、ニュースサイトを読んでいると、次第に左耳がツーンとしてきて、内耳がむくむ感覚を覚えた。前回の難聴以来、内耳のむくみはよく経験しており、通常は一日でおさまるため、後遺症だと思っていた。でも今回はなかなかむくみがおさまらない。その日の夜には聞こえも悪くなっていて、全体的にぼわーんとした、水が入っているようなあの不快感が増していった。
翌日。朝起きても不快感はおさまっていない。ぼわーんぼわーんとした感覚が波のように寄せたり引いたりする。それでも聞こえはだいぶ良くなり、ここで言う聞こえというのは低音のことなんだけど、それまで聞こえていなかった感覚は幾分マシになっていた。とはいえ、やはりむくみ感は抜けない。
三日目。ある程度聞こえが良くなったことで、少し休んでいれば戻ってくるかと思っていたのだけれど、相変わらず左耳はくすぶっていた。低音の響きが強くなったり弱くなったり、落ち着かない。次の日も治らなかったら久々に病院へ行こうと思った。その際、前回行った病院ではくて、別の病院にしようと思い、リサーチをする。少し大きめの病院の耳鼻科に決めた。父親が胆嚢摘出オペを受けた病院だ。
結局四日経っても左耳はくすぶり続けていたので、病院へ行った。初診なので少し待ったけど、予想の範囲内なので全く問題ない。ひとまず聴力検査を受けることになった。聴力検査自体が約4年ぶりくらい。懐かしい形のヘッドホンを頭にはめて、まずは右耳から検査が始まった。高音、中音、より高音、低音、そして重低音(と言っていいかわからないけど)。どれも問題ない。半ばニヤつきながらボタンを押す。余裕。そして問題の左耳。高音、中音、より高音は特に問題なし。この時点でも、まだむくみ感を盛大に感じている。そして問題の低音。低音はそこそこ聞こえる。この時点で、聞こえは前回の難聴時より良いと感じた。そして重低音的なより低音。これが響く。ぼわんと響くけど、輪郭を帯びた低音として左耳に届くのに少し時間がかかる程度。ここでも、聞こえはそんなに悪くなっていないと感じた。
そして結果と診察。結果用紙を見せながら女医さんは「ちょっと低音が聞きづらくなってますね、前回のときはどれくらいだったか覚えてますか?」と聞いてきた。前回はもっと悪かったので、その値を指差して伝えると、「たぶん、メニエールに移行しているのか、実は前回の難聴の時点でメニエールだった可能性があります」とのこと。そして「聞きづらい低音とかあります?」と、さらっと聞いてきたので、すかさず「ジャズ聞きます?ウッドベースが響いちゃって聞こえにくいですね」と答えると、「はあ、なるほど。 チャールス・ミンガス、ポール・チェンバースとかですね」と来たもんだ。詳しいではないか、先生。
というわけで、めちゃ不味薬で有名な(内耳のむくみを取る)薬とビタミン剤を一週間処方されて様子を見ることになった。先生が言うには、必ず繰り返してしまうこと、目眩が今のところ感じなくても将来的に感じる可能性があること、気長に付き合っていくこと、などを頭に入れておいてほしいとのこと。帰りがけに薬を受け取り、その日は帰った。クレジットカード払いを受け付けている病院だったからそこもプラス。
翌日から毎食後に薬を飲む日々が始まった。薬はイソバイドというもので、内耳のむくみを取る効用がある。味がすごい。なんとも形容し難い濃い味付けで、前回はゼリー状のものだったけど、今回はストレートにシロップ。薬局のお姉さんが言うには、「シャーベットにしてもいけるらしいっすよ」とのことだったが、そこまでする勇気はなかった。
投薬中は次第にむくみが取れていく様子がわかり、なかなか面白い。どうわかるのかというと、響く音の部分がだんだん少なくなっていく、と言ったらいいのか。ボワンとするウェーブの周期が少しづつなくなっていくというか。でも朝起きるとボワンとしていた。が、起き出して数時間で収まる。
そして一週間が過ぎたのだが、完全に戻ったという感じはなく、それでもはっきりと投薬前に比べて低音は聞こえるようになっていた。そしていざ聴力検査。右耳に続いて左耳、低音部分、明らかに聞こえる。響くのだが、きちんと聞こえる。何かいい感じであった。
その後の診察で、ほぼ両耳とも同じレベルになっていることがわかった。全身の循環を良くする漢方薬を2週間分処方してもらって、とりあえず今回の治療は終了。ただ、繰り返すので、今後も長く聴力低下が続くか、めまいを感じたらいつでも来てくださいと言われた。その日は一日響きが少し続いていたが、翌朝になるとスッキリおさまっていた。ねごとのアシンメトリーという曲のMoogによるベースラインもきっちり聞こえる。まあMoogほど図太いといくらでも聞こえるんだけど。
これまでの難聴関連エントリは以下。
そういうわけで慢性的なこの病気と今後も付き合っていくようです。左耳の状態はいつもモニタリングしているので、どのあたりの周波数がどれくらい聞こえないかとか、内耳のむくみ具合はいつも細かに分かる。体を動かすのも必要なので、好きなスポーツを適度にやっていきたいなーと。バスケとフリスビーが大好きなのでやっていきます。バッシュもう一足買おう、インドア用のボールも新調して。あと自転車も乗りたい。ワークマンでイージス買うか、M65のインナーを新調するか。
今年も終わる。
1 thought on “メニエール”