とんでもない1年でした。さようならということで。
まあしかしとにもかくにも新型コロナウイルスに世界が振り回された1年、ということですよね。プラス、我々のような引きこもり在宅フリーランス族が細々と続けていた「在宅勤務」というワークスタイルに、ここまでフォーカスが当てられるとは誰も思っていなかっただろうなと。今や「会わない」「非対面」「非接触」が、ビジネスやサービスなど、様々な分野で標準となっている。去年の今頃、1年後に世の中がこういうことになっていると予言できた人はさすがにいないだろう。
それにしても2020年。
個人的には、マーケティングやブランディング、展示会企画・参加、など、多岐にわたる活動に足を突っ込んだ1年であった。その一環で、デザイナーやクリエイティブディレクターなどという、これまでの人生では特に関わったことのない職種の方々と、言葉の面で関わった。一行の持つ力、人を動かす言葉とは、ターゲットに向けてコンセプトをいかに魅力的に説明するか、などなど、「言葉」を意識した1年と言えるかもしれない。翻訳関連でもいろいろなプロジェクトに関わらせていただいた。いずれも「評価」という目線で関わりを持ったのだが、改めて「コンテキストを意識することの大切さ」を認識した。AI翻訳全盛の今の時代、文脈を意識して文章やドキュメントを読めないと終わる。まあ本当に終わっているのかどうかはさておき、読むのにも訳すのにも、文脈や背景情報をきちんと頭に浮かべないと視野が狭くなるということだ。機械翻訳は、訳すという作業においてはちょっときびしいなと思っている。機械翻訳の「文脈を追い切れない、読み切れないがために発生するミスを人間がカバーするという作業」という意味でのポストエディットは、なんだかまあほんとに疲れる作業だなと思う。だって結局原文追っかけて、自分で訳したのでない訳文を追っかけて、「ん?」と思ったところがあるとまた元に戻って、それを繰り返して修正しようとすると、別の部分の修正が必要になって、結局全文書き換えて…そしてそれを安値で…とかちょっとないわーと思う。大変と思う。意味をスピーディーにかつ大まかに捉えるという形で使う以外ないんじゃん?と思う。がしかし。こういったAI翻訳を使用すると言うことを想定した仕事、というものが出てくる可能性もある。つまり、機械翻訳にかけたときにきちんと通じる言葉にしてほしい、というような。「機械翻訳忖度原文サービス」とでも言えるかもしれないが、機械翻訳の使用を想定して先回りするようなものというか。それで食えるのかというとそれはまた別問題で、あまりよくわからないけれど、いずれにしろ機械翻訳やAIと共存・コラボしていくという動きが加速していくというのはまああるんだろうな、そしてそういうところでこれからもふらふら歩き回るのであろうな、と思ってもいる。
それにしても2020年。
多くの著名人・有名人がこの世を去った。中でも、Edward Van Halen が亡くなった。大変に寂しい。彼は僕の青春の1ページであった。中高の頃に、1984というアルバムを通じて彼のギターに出会い、キーボードフレーズに出会った。以来、ここぞというときにはいつもVan Halen の曲が流れていた。本当に悲しい。が、彼の音楽はずっと残り、心の中で生き続けるので、これからも変わらず聴いていこうと思う。
それにしても2020年。
急にいろんなことがオンラインになり始めた。今まで見えなかったものがうっすら可視化されるという、オンライン世界の怖さが、様々な層において突きつけられたような気がした。その筆頭がテレカンファレンスだろうなと。さすがに一日に5個も6個もオンラインミーティングの予定がカレンダー上に並ぶとうんざりする。でもちょっと面白いのは、結局対面の会議と同じで、ちゃんとコントロールされていないミーティングはグダるってことだろう。予想以上にグダる(=終わらない)ミーティングがあるんですよ。あと、まあ自分ももう立派なおっさんではあるが、ビデオオフの参加者に対してビデオをオンにすることを強要したがるおっさん層が一定数いる、ということなんだけど、やはり今日日そういう行為はパワハラになっちゃうんだろうな、と、とあるミーティングでビデオオフにしながらぼんやり考えていた。
ってなことを2020年最終日に書いていおり、この時期が1年の中で一番好きな時期でもあるんだけど、通常通り、毎年通り、いつもと変わらない静かな年の暮れでございます。
また来年。